戻る

ホルムアルデヒド「ゼロ」で作った合板
接着剤にはイソシアネート系のものを使っています。

ジワジワと揮発しないので、室内空気が汚染されることがないのです。シックハウスの問題児ホルムアルデヒドは、工場はもちろん、家の中でも揮発します。築25年以上経過した中古住宅を解体すると、ぷーん、とニオうので、その驚異を肌で感じることができます。
25年、ずーっと揮発していたということです。

製造が難しいから高い
製造に手間がかかるので、一般的な合板よりも割高です。

でも。家一軒全てに「ゼロホルム合板」を使用しても、
割増金額は、数十万円。家づくりは一生に一度、家族の健康を考えて配慮したいという方々に指示されています。

製造が難しいから作らない
一般的な合板とはF☆☆☆☆マークのついた「低ホルムアルデヒド合板」です。

イソシアネート系の接着剤の歴史は古く、その存在は業界人なら誰でも知っていること。なのに、広まらないのは、製造に手間暇を掛けなければならず、面倒だから。
ちょっと油断すると、すぐに不良品になる。だからロスも多く、それも値段が高くなってしまう原因でもあります。

高いから広まらない
合板は、本来、建築コストを下げるために開発をされました。

無垢材は高いし、建築日数もかかる。
庶民がもっと手軽に家を手に入れられる為に工夫されたもの。だけど、それがシックハウスという大問題を引き起こし、結果的に国民健康保険を逼迫している!?かもしれません。(シックハウス症候群は現時点では健康保険対象外です。しかしアレルギーなど様々な現代病の一因と考えられています。)。

広まらないから高い
みんなが使いたいといえば、もっとコストは下がる。

でも、予算があって拘る人は無垢材を使う‥。悪循環スパイラルに陥っている部分は否定できません。でも合板を全く使わないで、家を造ることは特殊なこと。拘りの工務店さんでも、ある程度合板を使わざるを得ないというのが現代の家造りなのです。

F☆☆☆☆の意味(エフ・フォースター)
合板も大昔は、接着力の弱い「天然接着剤」で張り合わせていましたので、湿気を含むとペラペラとめくれてくるような物でしたが、接着剤の発展と共に、合板はより強度や耐水性の高い製品へと発展してきました。シックハウス対策の実施が義務づけられ、合板も低ホルムアルデヒド(F☆☆☆☆)製品が一般化しました。しかし「低」とは「使っていない」という意味ではなく「使用量が少ない」というだけの意味です。

ゼロホルム合板は、一般的な接着剤に不可欠な「ホルムアルデヒド」を原料とした接着剤を一切使用せずに作った合板です。

ホルムアルデヒドは、安くて、便利、防虫効果もあって、とても便利なものですが、人には有害な薬品です。

現実的な対応
ゼロホルム合板の製造に使っている接着剤は、イソシアネート系接着剤です。

イソシアネートは、製造時には注意が必要ですが、未反応な化学物質が残留し、建築後の室内空気を汚染するということがありません。また万が一火事になった場合も、通常のF☆☆☆☆(低ホルム合板)と比較して、有害ガスの発生が少ないことが確認されています。

本来ならば、製造時にも有害なものを使わないことが望ましい。でも、合板を使わない家造りが特殊な今、有害なものをいかに最小限に抑えるか、という工夫が現実的でもあり、かつシックハウスを間違って手に入れない方法の一つではないか、と考えています。

現実的な対応は人それぞれ
シックハウス対策の実施は、法律的にはF☆☆☆☆品質の合板なら無制限に使ってよいことになっています。

しかし、ホルムアルデヒド「ゼロ」を目指すなら、下地に使う合板も「ゼロホルム合板」を使うったほうがいい。差額で考えれば、コストアップ金額は、それほど高額にはなりません。でも、そのコストアップ分をどこに利用するか、はそれぞれの判断ということになりますが、下地まで配慮したい場合は、工務店さんに確認してみると安心です。
なぜ合板を使用するの?

・最近の家は、床なりがほとんどしないと思いますが、それは、フローリングの下に合板を貼っているからです
しかし、床なりが少しぐらいしても問題ないとお考えの方は、合板を使用せずに厚さ25mm以上の無垢板の床も可能です。

・構造用合板は、安価で耐震性の向上が出来、2x4住宅等で多く使用されております。しかし、昔からの伝統的な工法(在来工法)において、全く合板を使わず耐震性の向上は出来ます。(ただし、プランにおいて制限がでてくる場合もあります。)

・屋根をスレート製、金属製にした場合は、下地に合板を使用しなければなりません。しかし、瓦葺きの場合は、杉板下地が可能であり、合板は不要です。

・絵画を飾るため、手摺を付けるため、住宅設備器具を固定するために、壁面下地の一部に合板を使用しなければなりません。しかし、壁をすべて板貼りで仕上げれば、合板なしも可能です。また、壁面に何かを固定しなくてもよい部分は、石膏ボード下地でよく、合板は不要です。

(株)清武建設/清武一級建築士事務所

戻る